アロマと香水の違いの為に
精油はその種類によって効能は異なりますが、どの精油にも共通するのがデオドラント効果です。肉のにおいを消したり、身体の毒素を出す働きをしたり。気持ちを穏やかにする、などという心理的作用、女性ホルモンを活性化させるといった身体の内側に作用する力、そしてこのデオドラント効果が、人工成分のみでつくられた現代の市販の香水とは違う点です。妊婦や敏感肌、アレルギー体質の方は専門家に相談してから使用することをお勧めします。香水も良い香りがします。ハーブにも精神と身体に作用する効能があることは皆さまもご存知でしょう。
精油をお水やお湯に垂らすと、表面に浮いて膜のように広がり、水よりも軽く、お湯＝高い温度の水に溶けにくい性質であることが分かります。「香り」には古い歴史があります。香水とはどう違うの？ と疑問に思われた方もいらっしゃるかも知れません。けれど精油は油脂ではなく、構成物質はまるで違います。市販の香水は人工成分で構成されているからです。精油は１００％天然成分でできていますが、だからと言って完全に安全なわけでありません。
植物の力は偉大ですから、昔の人は植物を薬の代わりに煎じて飲んでいました。人体にとって毒性を示す精油もあるので、取り扱いには気をつけましょう。遥か昔の香水は精油と非常に近い成分でできていましたが、現在の香水と昔の香水は似て非なるものです。精油には程度の差はあっても、殺菌消臭の成分を含みます。また、精油はプラスチックや家具の塗装、人工大理石の表面を溶かしてしまうおそれがあります。基本的なこととは、純度の高いオイルである精油の原液を直接飲んだり、皮膚に直接つけたりはしないこと、３歳時以下への乳幼児に精油は触れさせてはいけないこと、揮発性なので火気に気を配ることなどです。
クレオパトラは香水風呂に入り、床に薔薇を敷き詰めてその香りを愉しんだ、と言われています。もちろん、基本的なことを勉強してちゃんと扱えば、危険なことは全くと言って良いほどありません。けれど香水の香りを嗅いでも、身体を健康に導くような作用は起きません。精油は自然にある状態よりも大変濃縮されているので、それだけ土に生えた状態の植物よりも遥かに強い作用が起き、だからこそ療法として使えるのです。小動物のいる密室でアロマを炊くのは避けましょう。また楊貴妃は、飲むと身体の内側から良い匂いを発する効果がある丸薬を愛用し、柱にも香を塗り込めて宮殿のどこにいても良い香りが漂うにした、というエピソードが残っています。
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